スマートフォンから撤退したノキアが次に目をつけているのがIoTカー通称スマートカーだ。車がインターネットに繋がることによって何が可能になるのか。その可能性にかけるノキアを追う。
投資額に見るノキアの本気具合
ノキアは2014年5月、約100億円を未来のスマートカー開発を行う会社や製品に投資することを発表した。今回新しく発足するベンチャーキャピタルファンドは携帯ビジネスの強みであるマッピングやロケーションサービスなどスマートカーを実現するにあたって重要なテクノロジーに投資する見込みだ。
ノキア自身も2008年より、地図提供会社のNAVTEQを買収してから位置情報サービスに注力してきた。また2012年には3次元地図テクノロジーを盛るearthmine株式会社を買収した。現在では、ノキアはこうした地図情報をAmazon、Microsoft、Yahoo!や他の会社のカーナビゲーションシステムに提供している。
ノキアの会長、そしてCEOであるRajeev Suriはこうした投資を非常にリターンの大きいものとして見ている。またNokia Growth Partnersの共同設立者であるPaul Aselは「ここ数年でのイノベーションの大きな波は、安全で、快適で、よりお互いに接続しあった乗り物の開発を後押ししてきた。これからこうした自動車はスマートフォンやタブレットのように新しいテクノロジーのプラットフォームとしてますますその地位を高めていくだろうと考えられる」と言及している。
こうしたインターネット接続された車への競争はますます激化していくと考えられる。ノキアがライバル視しているGoogleやAppleを見てみると、Googleはすでに自社の自動運転車を手がけている上にAndroidのOSを組み込もうとしている。AppleはすでにCarPlayをもっており、2014年のカーモデルで選択可能である。しかしながら地図情報を持っているという点ではGoogleとNokiaが今後ロケーションサービスでは一歩リードする形になると考えられる。
GOMESSの一言
スマートフォンやタブレットと同じように、自動車がIoTサービスのプラットフォームになり得る大きな要因として、給電をどこから行うかという問題を解決しやすいという点がとても大きい。また、世の中に広く普及しているといった点からも、コンシューマ向けIoTサービスとして自動車は外せないプロダクトの一つだろう。BtoB向けサービスではすでにKOMATSUの『KOMTRAX』が有名だが、今後はコンシューマ向けにどのようなサービスが出てくるのか楽しみだ。
参考URL:
- http://www.neowin.net/news/nokia-looks-to-smart-cars-for-its-future-invests-100-milion-in-start-ups
- https://www.yahoo.com/tech/nokia-to-focus-on-smart-car-technologies-84846728324.html
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