空気のデータを取得したり、水の消費を抑えたりと、IoTは環境に対してもその真価を発揮できる可能性がある。今回はそんな5つのIoTイノベーションを追ってみた。
①RainMachine
EPAによると、乾季に各家庭で用いられている70%の水は修景用水(主に飲食以外に使われる水)であると報告されている。また専門家によると、これらの修景用水のうち、50%は使いすぎにより無駄に捨てられていると考えられている。RainMachineはWi-Fiによるスプリンクラーコントローラーで、水の過剰使用を防ぐためにデザインされた。7日間におよぶ天気予報に基いて、最適な量の水分のみを供給するこのIoTデバイスは環境にも植物にも配慮したものとなっている。
②Air Quality Egg
Air Quality Eggは家やオフィスにおける空気の状態をデータ化し収集してくれるセンサーシステムである。Air Quality Eggは空気中のCO2やNO2の濃度を分析し、空気汚染がどの程度なのかを分析してくれる。こうして収集されたデータはリアルタイムにオープンデータサービスに送られ、誰でもこのデータにアクセスすることができるようになっている。
③Dontflushme
毎年、ニューヨーク港には270億ガロンもの下水汚物が捨てられている。オープンソースプロジェクトであるdontflushmeはニューヨーク市民がこうした下水汚物を減らすよう意識するべく作られた。特殊なセンサを用いて水のレベルを測ることで、汚水処理が過剰なときには各家庭が生み出す下水を減らすように促してくれる。
④BigBelly Solar
BigBelly Solarはソーラーエネルギーを用いて、ゴミ箱が一杯になったときに清掃員に知らせてくれるIoTデバイスだ。従来のゴミ収集というものは頻繁に回収しすぎて車の燃料を無駄にしたり、CO2を排出したりしてしまうか、回収の頻度が低く、溢れるゴミによる環境汚染、病原菌の温床としてしまうことが多かった。そこで最適なタイミングでの収集を可能にするためにつくられたのがBigBelly Solarなのである。
⑤Pollux’NZ City
Pollux’NZ Cityはまだ開発段階の都市環境モニタリングシステムのためのプロジェクトである。リアルタイムに音(50-90dB)、温度(-40℃〜100℃)、粒子(PM10フィルタ)のデータを取得し、インターネットのバックエンドに送信する仕組みである。現在プロジェクトはフィールドテストに入っている段階である。
Gomessの一言
家庭から公共の設備までこのようなIoTデバイスが普及するのはそう遠くない未来だろう。環境保護に対してはまだまだアナログな部分も多くあり、IoTデバイスの普及でより先進的な取り組みが可能となり、効率的な保護ができるようになれば実に素晴らしい。公共の場などにはさまざまな規制や問題などあるかもしれないが、是非とも実現に向けて進めてもらいたいプロダクトの数々だ。
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