IoTは様々なところに革命を起こせる可能性を秘めている。病院もその1つだ。病院全体をIoT化し、ロボットを管理することができればどうなるのか。今、パナソニックがそうした医療ロボットに本腰を入れている。
医療ロボットシステムHospiとは
例えば医者がたった今ある薬剤が必要だとなったときに、今までであれば自ら取りに行くか、看護師もしくは薬剤師の力を借りて取りに行かせるかの2択しかなかった。しかしながらこれは人的リソースが限られる病院においては大きな負担ともなっていた。こうした単純な作業を自動化するため、パナソニックはとある医療ロボットシステムを開発した。
パナソニックは10年前にもこのロボットシステムを開発していたのだが、様々な障害もあって2台のロボットを販売するにとどまっていた。しかし今日になって、医療コストの増加、テクノロジーの進化も相まって新たにHospiという名の医療ロボットシステムを開発するに至った。
現在では、松下メモリアル病院にて5台のHospiが稼働中であり、ある調査によると、薬などの発送時間を約30%程度削減できたということである。現時点ではロボット1台あたり10万ドル(=約1000万円)に加え、様々な他のオプションで費用がかかるが、一度稼働してしまえばメンテナンス費用は非常に安価であるということである。
病院は実はこうした可動ロボットにとっては非常に優しい環境であるということにも注目したい。平らな床に構造の把握しやすい壁、完備されたエレベーターやユニバーサルデザイン化されたスロープなど、ロボットの導入に対する参入障壁は低い。
近年ではHospi以外にも様々なロボットシステムが導入されつつある。RP-VITAは病院内で案内を行うことができるロボットであるし、GEもまた手術の準備のためのロボットシステムを持っている。
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GOMESSの一言
病院で電子カルテの導入が年々増加して行く中、 こういったロボットの活躍により電子カルテと薬品データを連動させることで人的ミスも少なくする効果が見込めそうだ。ロボットの活用と聞くと自動車工場の機械化が先進的な事例として思い浮かぶが、今後は病院でも単純な作業はロボットが行い、人間は人間にしかできない仕事に注力する流れとなるのだろう。搬送記録やカメラによる画像データなどロボットから得られる情報は非常に多く、データの利活用でも今後の医療サービスの向上に貢献しそうだ。
参考URL:
- http://www.popsci.com/article/science/panasonic-will-try-again-popularize-hospital-robots?dom=tw&src=SOC
- http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2013/10/jn131024-1/jn131024-1.html
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